当ページでは、不正コピーを防止するためのコピー保護技術であるデジタル放送のコピーワンス制御によるコピー制限を中心に説明しております。
・違法コピーの具体的な方法(手段)については、触れておりません。
・コピーワンス導入に関して、賛成/反対の、いづれも述べていません
また、著作者の権利保護と法律遵守することは、特記するまでもない当然のことであると、考えております。
2004年4月より、デジタル放送(BS,地上デジタル)に、コピー制御信号が付加されています。
これは、デジタル信号は、コピーをしても画質が劣化しないため、著作権保護の観点から導入されたものです。
ただし、2005年07月現在、コピー制御を緩和する方向で見直しが検討されています。
デジタル放送の番組には、コピーフリー、コピーワンス、ネバーコピーのいづれかのコピー制御情報CCI(Copy Control Information)が付加されており、このコピー制御信号に対応した機器や媒体(ディスク等)では、以下のような録画、コピー(複製)、ムーブ(移動)の制御が行なわれます。
| 制御情報CCI | 制限内容 |
|---|---|
| コピーフリー | 録画(コピー)が自由に出来る(※) |
| コピーワンス | 対応機器に対して、1回だけ、録画が出来る(※) |
| ノーモアコピー | 録画後、再コピーが出来ない状態(ムーブは可能) |
| コピーネバー | 録画(コピー)が、一切、出来ない |
コピーワンス(コピワンと呼ぶこともある)は、前節のとおり、「1回だけ」録画が出来る機能です。
コピーフリー(現在は放送されていません)
コピーワンス(現在の通常のデジタル放送です)
しかし、他のハードディスクや、著作権保護に対応したCPRM対応ディスク、又は、CPS for BD-RE (Content Protection System for Blu-ray)に対応したディスクに対して、ムーブ(移動)が出来る対応機種があります。
ムーブとは、コピー後、元の映像が自動消去される機能で、放送から録画した映像は、ハードディスクに残らない仕組みで著作権を保護しています。
ここで、2世代目のムーブ後に消去する必要がありますので、ムーブに対応するには、少なくとも、以下の条件が必要になります。
1)以下のいづれかの機器
・ムーブに対応しているHDD内蔵DVDレコーダ
・ムーブに対応していHDD内蔵Blu-rayレコーダ)
・互いにムーブに対応しているDTCP対応iLink(MPEG-TS)搭載機(2機)
2)以下のいづれかのメディア(記録媒体)
・CPRM対応DVDディスク
・CPS対応Blu-rayディスク
・D-VHSテープ(DTCP対応)
・Rec-POT M などムーブ対応 AV HDD
HDD内蔵DVDレコーダでは、内部でコピー制御が可能なため、多くのレコーダでHDD→DVDのムーブに対応しています。(後述)
DTCP(Digital Transmission Content Protection)とは、著作権保護しつつ2つの機器(例えば、HDD同士)で映像を転送する方式です。
コピーワンスで保護された映像の転送が終わると、元の映像を自動消去する「ムーブ機能」を実現しています。
もちろん、保護された映像をDTCP非対応の機器には転送しないようにもなっています。
DVDやBlu-ray、D-VHS等の記録媒体からの「さらなるムーブ」は、出来ないようになっています。
元来、DVDは不正な手段でコピーしても正しく再生出来ないような著作権保護がかけられており、不正コピーされたDVDは15秒ほどで検出されて、再生できなくなっています。
しかし、この方法は完璧では無く、DVDからのムーブを許可してしまうと、ある方法を用いることで、無数のコピー作成が可能になっています。
現状は、このような抜け道がある限り、DVDからはムーブすることを禁止せざる得ない状況です。
DVDは取り出し可能なメディアであり、ムーブ機能を悪用された場合には、無数のコピー作成によって著作物に大きな被害をもたらす懸念がありました。
一方、HDDは、取り出す人も少なく、また、HDDの識別符号を照合したり、HDD取り出しを検出している機種もあります。
不正な状況を検出すると動作しないばかりか、次回の起動時にHDDを初期化したり、二度と電源が入らないように設定される機種もあります。このような保護機能によって、ムーブ機能搭載による悪用は、DVDに比べて、少ないと考えられています。
以上ような背景から、DVDのような無数のコピーが作りにくいという解釈によって、HDD→HDDに関しては、何回でも、ムーブが可能な機器が登場しています。
ムーブ対応HDDでのムーブ (ムーブ回数には制限なし)
但し、ムーブ対応は、メーカによって対応方針が異なるので、機種によって対応状況や制約などが、全く異なります。
ムーブを利用したい場合は、必ず、制約事項や相互の互換性などを確認する必要があります。
しかし、現実には、HDDを取り出してムーブ機能を悪用する人も存在しています。
そこで、CPRM対応DVDのような著作権保護機能を搭載したHDDが検討されています。
SAFIA(Security Architechture For Intelligent Attachment device)対応HDD(旧名称=iVDR Secure対応HDD)と呼び、元々は、リムーバブルのHDD用として作成されましたが、今後は、HDDレコーダでも採用される方向です。
DVDに、コピーワンス放送を、直接、録画した場合、CPRM対応DVDに録画することが可能です。
しかし、直接録画した場合であっても、前述のとおりDVDからはムーブできません。
CPRM対応DVDへの録画
特殊なコピーワンス制御(不正ではありません)
次に、PCを使用した、特殊なコピーワンス機能について説明しますが、本方法は、通常のパソコンデーター等のバックアップと異なり、親となるメディアが破損した場合は、データを復元できませんので、ご注意ください。
具体的には、下図のように、PC用DVDドライブを利用して、DVDの内容を、全て、PCのHDDへバックアップします。
CPRM対応DVDの同一ディスクへのコピー(バックアップ用)
万が一、DVDの内容を消してしまったりした場合、同一DVDディスクに限って、PCのHDDからDVDへ全てのデータ戻すことで復元できます。
したがって、DVDメディアの劣化や誤消去から大切な映像をバックアップしたい場合には、利用できますが、「同一のディスクにしか復元出来ない」ため、ディスクが破損してしまうと、復元できません。
もし、異なるディスクに不正コピーした場合は、コピー後の不正ディスクは、各トラック毎に約15秒しか再生できなくなります。
CPRMとは、Content Protection for Recordable Media の略で、DVD-RAMや、DVD-RW、(最近ではDVD-R等)の録画用DVDで著作権保護に対応したディスクのことです。
既に説明しましたが、コピーワンスのDVDへの録画やムーブには、CPRM対応のDVDディスクが必要です。
また、DVDレコーダもCPRMに対応したものが必要です。
| 評価 | 検出 | CPRM対応 | ムーブ対応 | 機種例 |
|---|---|---|---|---|
| 優秀◎ | 有○ | 対 応○ | 高 速 対 応 ◎ | 最新機種は、ほとんどが対応 |
| 妥当○ | 有○ | 対 応○ | 再エンコ対応○ | 旧DIGA(HS1,HS2,E80H,E90H) |
| 不便△ | 有○ | 対 応○ | 非 対 応× | スゴ録(RDR-HX6/8/10) |
| 論外× | 有○ | 非対応× | 非 対 応× | PSX(DESR-7100/5100以前)等 |
| 評価外 | 無× | 非対応× | 非対応(可能)○ | 悪用の懸念があり非公開 |
CPRMではCPRM対応のDVD-RAMメディアと、同じくCPRM対応のDVDレコーダーの間で暗号キー(暗号の為のパスワードのこと)が生成されます。
また、DVDレコーダー内の暗号キーも2重に暗号化されていて、暗号キーが漏れない工夫がされています。
他にも、市販DVDに採用されているCSS(Content Scramble System)という暗号化方式もあります。(CPRMに比べると暗号化レベルは極めて低いです。)
コピーワンス放送を録画(又はムーブ)したディスクを再生する場合も、CPRMに対応したプレーヤが必要です。
CPRM対応DVDレコーダを持っていれば、当然、レコーダをプレーヤとして使用するので、問題がありません。
しかし、他のレコーダやプレーヤ、パソコン等で再生する場合は、再生側も対応しておく必要があります。
例えば、CPRM対応ディスクをパソコンで再生する場合はCPRM対応の再生ソフトが必要になります。
地上デジタル放送の規格の中にEPNと呼ばれる暗号化方式があります。
現在のデジタル放送ではコピーを防止する映像に対して、暗号化やスクランブル信号を重畳させています。
これに対してEPNでは全ての映像に暗号化を行なって、EPN対応のチューナーやレコーダーでしか再生できなくなります。
EPNは、地上デジタル放送の規格に含まれているので、現在、市販されている地上デジタル放送に対応した製品であれば問題なく再生できます。
また、録画および再生機器だけでなく、記録メディアについてもCPRMやCPSに対応している必要があります。
EPNでは、コピーの世代制限が無くなる代わりに、EPNに非対応な機器での再生が出来なくなります。
非対応の機器やメディアにコピーしても、暗号が解読できないため、不正コピーを防止することが出来ます。
例えば、インターネットを通して、多人数に配布することは出来ません。
しかし、同じネットワークでも、家庭内LANでは、互いに認証しあえた機器同志で相互に再生できるようなる予定です。
但し、相互に認証のための仕組に対応した機器が必要になります。
つまり、EPNだけではLAN共有できません。
今後、DRM(digital rights management)に対応したDLNA対応機器などで可能になると思います。
本ページは、複雑なコピーワンスの仕組みや実際の制限についての内容をご理解いただくことを目的としています。
合法/違法を問わず、著作物のコピーを推奨しているわけではありません。
また、著作権保護についても、一読ください。