ハイビジョン画質の地上デジタル放送のをDVD-RAMやDVD-RWで保存しても、画質が従来のアナログのテレビ放送と同程度の画質になってしまいます。
そこで、ハイビジョン画質で記録するディスクが登場しています。
しかし、2005年04月の現在では、かつてのVHS方式とβ方式、あるいは、DVD-RAM方式とDVD-RW方式のように、今回も、Blu-ray方式とHD DVD方式の2つの方式(規格)が存在しています。
(但し、統一の方向性も検討されています)
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Blu-rayDisc R A M
SONY Panasonic SHARP 東芝 NEC SANYO
Blu-rayの特徴を一言で説明すると、「レコーダーがすでに登場している」ということと、「高性能だが高価」ということです。
反対に、HD DVDは、「Blu-rayよりも劣るけど安価」ということです。
元々、レコーダーに関して言えば、互換性や、コストよりも性能を重視される傾向があります。
VHS方式では、長時間録画が重視されました。
また、小型ビデオカメラ用のVHS-Cと8ミリビデオでも、互換性よりも、やはり、長時間録画が重視されました。
今回のBlu-rayでは、記録層までの厚みを0.1mmにしたことが最大の進歩です。
従来のように0.6mmの厚みであれば、1.2mm厚のディスクに最大で3層しか記録できません。
しかし、Blu-rayでは、今後の技術の進歩によって、100GB、200GBと記録容量を増やしてゆくことが可能なのです。
方のHD DVDは、市販ソフトHD DVD-ROMに力を入れています。
例えば、1枚のDVDディスクが2層構造になっていて、HD DVDと通常のDVDを、それぞれの層に入れることで、両対応の市販DVDソフトを安価に作る技術があります。
しかも、ディスクの製造方法が、あまり、変わらない為、現在のDVDと同等の値段で製造できるのです。(2005年9月、Blu-rayも類似技術を発表)
このような背景から、ちょうど、DVD-RAMとDVD-RWの関係に似ています。
録画用に重点 Blu-ray (BD-RE) ≒ DVD-RAM(高性能,高価)
市販ソフトに重点 HD DVD-RAM ≒ DVD-Video DVD-RW(安価)
| 規格 | 容量 | 特徴 | 主なメーカ |
|---|---|---|---|
| Blu-ray/RE HD DVD-RAM |
50GB(2層) 20GB(片面) |
高性能だが高価 容量が少ないが安価 |
Pana SONY SHARP 東芝 NEC SANYO |
| BD-ROM HD DVD-ROM DVD-ROM |
54GB(2層) 30GB(2層) 8.5GB(2層) |
ゲーム機PS3に採用 大手映画が支持 最も普及している |
SONY Pana 東芝 NEC SANYO SONY Pana 東芝 |
| DVD-RAM VideoCD |
4.7GB(片面 640MB |
最も普及している 普及せず |
Pana 東芝 SONY |
| 規格 | 符号 | RATEx1 | 層厚 | ピッチ | MARK長 | 波長(開口率) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Blu-ray/RE HD DVD-RAM |
MPEG-2 H.264 |
36Mbps 36Mbps |
0.1 mm 0.6 mm |
0.32 u 0.34 u |
0.14 u 0.204u |
405nm(0.85) 405nm(0.65) |
| BD-ROM HD DVD-ROM DVD-ROM |
マルチ マルチ MPEG-2 |
54Mbps 36Mbps 11.08M |
0.1 mm 0.6 mm 0.6 mm |
0.32 u 0.40 u 0.74 u |
0.14 u 0.173u 0.4 u |
405nm(0.85) 405nm(0.65) 650nm(0.6) |
| DVD-RAM VideoCD |
MPEG-2 MPEG-1 |
11.08M 1.25M |
0.6 mm 1.2 mm |
0.615u 1.6 u |
0.42 u 0.89 u |
650nm(0.6) 790nm(0.45) |
| 規格 | 支持している映画会社 |
|---|---|
| BD-ROM | Disney, Sony, MGM, 20th Fox |
| HD DVD-ROM | Paramount, Universal, WarnerBros, NewLine |
符号 :ビデオ符号化(圧縮)方式。「マルチ」は下記の3方式を示す。
(1) ITU-T H.264 (MPEG-4 AVC とも言う)
(2) VC-1 (Windows Media Video 9, WMV9, Microsoft VC-9とも言う)
(3) MPEG-2
RATE :最大データ転送レート(ディスクを読み書きする1倍速の速度)
層厚 :保護層の厚み、ディスク厚は1.2mm(CDはディスクの厚みに一致)
ピッチ:トラックピッチ(円トラック同士の間隔)
MARK長:最短マーク長(最小ピットサイズ)
波長 :レーザ光の波長
開口率:レーザー光を絞り込むレンズの開口率(開口数、NA)
u :μm(=1/1000mm)を省略
ここでは録音メディアとして、アナログからデジタルに移行する時の例を挙げたいと思います。
デジタル録画メディアには、現在のMD以外にも、DATやdccという方式がありました。
Panasonicは、dcc方式を支持し、SONYはMDを支持していましたが、この争いの決め手になった要因の一つに、MDの見た目のカッコ良さがあったのでは無いでしょうか。
ディスクメディアは、CDよりも小さく、カセットテープよりも薄く、しかもカードリッジ状のケースに入っているところが「録音も出来る小さなディスク」という印象を受けました。
しかも、MDプレーヤのサイズは、DATやdccが弁当箱のようだったのに対して、当時のカセット式のウォークマンとほぼ同等のサイズ(SHARP MD-D10)で、他人に見せてもカッコイイものでした。
| 方式 | 印象 | プレーヤ | メディア |
|---|---|---|---|
| DAT | 小さなビデオテープ → ×古い | ×大きい | ○小さい |
| dcc | カセットテープに似ている → ×古い | ×大きい | ×大きい |
| MD | 小さくてカッコイイ → ○新しい | ○小さい | ○小さい |
もちろん、MD以外はテープ方式だったので、技術的にもMDが優れていたのですが、これまで録音メディアとしてはテープしか無かったことを考えれば、録音メディアとしてのディスクの便利さは、使ってみるまで気がつかないものです。
普及のポイントの一つには、必ず、カッコ良さというものが存在し、それが大きなプラス要因になっているとは、考えられないでしょうか?
カードリッジ入りのDVD-RAMは、一見しただけで「録画できるディスク」を訴えかけてきます。
この点に絞って考えると、従来DVDと似たHD DVDよりも、Blu-rayの方が、優位でしょう。
良く「複数の方式が存在することで、迷惑するのはユーザだ」といいます。
もちろん、当然です。しかし、競争によるメリットを忘れがちです。
最も大きなメリットは、機器やディスク(メディア)の価格競争による価格の低下です。
┏━━━━━┓
┃ Panasonic ┃
┗━━━━━┛
Blu-ray/ / \ \DVD-RAM
/ / \ \
× ○ ○ ×
/ /DVD-RAM Blu-ray\ \
HD DVD/ / \ \
-RAM/ / \ \DVD-RW
┏━━━━━┓ ┏━━━━━┓
┃ 東芝 ┃ 企業間の競争 ┃ SONY ┃
┗━━━━━┛ ┗━━━━━┛
|
↓
┏━━━━━┓
┃ ユーザ ┃
┗━━━━━┛
欠点× 複数のディスクメディアが存在し分かりにくい
欠点× 規格によっては、無くなってしまう場合がある
長所◎ 規格競争によるコストダウン、性能、品質の向上
長所◎ 方式競争によるCMや広告による積極的な普及活動
長所○ 利用方法にあわせた方式の選択が可能
例えば、βデッキを、あるいは、DVD-RWレコーダーを、登場の当初に買った方、その後、VHS、DVD-RAMが登場して、多くの人が買い足したと思います。
ところで、初めに買ったβやDVD-RWの価格は忘れていないものでしょう。
しかし、買い足したVHSやDVD-RAMの価格を、既に、忘れてしまってはいないでしょうか?
おそらく、初代機1台の価格で、少なくとも2台~3台は買えるような価格に下がっていたはずです。
競争があった場合は、技術の進歩やコストダウンが急激に進むことになりますので、知らず知らずに、2方式の存在メリットを受けていたのです。
「方式が変わったら、買い足せばいい」そんな考え方も良いのではないでしょうか?
Blu-rayと、HD DVDも、対立によって価格競争があるはずです。
又、価格競争だけでなく、支持方式を普及させる為に、有名な新作映画を片方の方式だけがレンタル開始よりも早く市販される可能性もあります。
メリット1:レコーダーの急激なコストダウン(支持方式の普及競争)
メリット2:録画メディアのコストダウン(支持方式の普及競争)
メリット3:レコーダー普及の為の著名映画ディスクの同梱※
メリット4:市販ディスク(ROM)の低価格化(従来DVD並みで登場※)
メリット5:市販ディスク発売時期の早期化(レンタルより早く※)
メリット6:市販ディスク普及の為のプレーヤ貸し出し※
※あくまで普及活動の可能性として考えられる例です。
VHSからDVDへの移行時期は、DVD普及のために、VHSよりも価格やDVD先行発売、さらに、東芝がDVDプレーヤの無料貸し出しなども行っていました。
dcc対MDでも、MDソフトの購入者を対象に、シャープが無料でMDプレーヤ貸し出してくれました。
このような、ソフト&ハードの連携的な普及活動は、必ず、発生するものでした。
しかし、Blu-rayとHD DVDが統一された場合は、従来画質のDVDとハイビジョンのディスクと差別化して販売されることになるため、普及活動が鈍化する恐れがあります。
少なくとも、映画会社にとってはハイビジョンのディスクを普及させるメリットはありません。
むしろ、映画館の来場数を低下させる懸念があるくらいなのです。
つまり、Blu-rayとHD DVDのような競争が無いのなら、現在の従来画質のDVDを売っていけば、将来も利益が確保できる為、わざわざ、無理をしてハイビジョンのディスクを普及させる活動はしないでしょう。
また、録画機についても方式が統一されれば、レコーダー、メディアともに、価格を下げる必要がなくなってきます。
むしろ、既にこれまでの設備投資によって低価格化が進んでいる標準画質(従来画質)のレコーダーおよびメディアの販売数を維持したいメーカーは、これ以上の無理をしなくなるでしょう。
事実、2005年4月現在、Blu-rayレコーダーに活気が無い理由の一つが従来画質DVDレコーダーがヒットしている為、メーカーは、Blu-rayレコーダーの値段を下げる努力する必要が無いと考えているように見受けられます。
この状況が続く気配が、次世代DVDの統一の騒動にも感じさせられます。
DVDやBlu-ray方式の規格化は、地上デジタル放送のような放送方式の規格化とは、大きく異なる点があります。
それは、地上デジタル放送は、国の事業の一部として推進されている傾向が強いのに対し、DVD等は企業が推進している傾向が強い点です。
規格化や技術開発には、莫大な経費がかかるため、推進している企業にとっては、利益が得られなければ、規格化や開発そのものが行なえなくなります。
つまり、この分野の規格化や技術開発がストップしてしまうのです。
また、全ての企業が同一の規格で満足のできる利益を確保できるわけではありません。
したがって、複数の規格が出来てしまう方が自然なのです。
元々、Blu-rayは、複数の規格による価格競争を避ける為に、有力企業が手を結んでいだという見方もありました。
そのような状況下でのHD DVDの登場は、歓迎している人も多かったはずです。
しかし、2005年4月の段階になると、互いが競争するよりも統合した方が、利益が確保できるという状況を考えたのか、Blu-rayとHD DVDの統合化の話しが浮上してきました。
映画会社が支持する方式が、半々に2分されたことが、両者にとっての、最大の問題だったに違いありません。
しかし、既に、Blu-rayは製品が出ている状況で、統合化するには、HD DVD側が層厚0.1mmをクリアする必要があり、DVD製造技術を維持する最大の特徴を生かすことが出来ませんので、開発面、設備面で、難しい状況にあると思われます。